おおかみこどもの雨と雪

見てきました。
以下、ネタバレ含む感想。


よかったです。
人間と狼の間で揺れるおおかみこどもの気持ち。
童話のなかでいつも狼は悪者で、「どうして狼は悪者なの?」と涙を流したり、人間の世界で人間として生きていきたいのに、狼の部分をどうしても隠しきれなくて、クラスメイトを傷つけてしまったり。
そういう部分がすごく共感できて、心が締め付けられるようで、泣けました。
泣ける部分だけじゃなくて、笑える部分も多くて、よかったです。


よかったんだけどね。
僕は、主に子供の方の視点で見ていたのだけど、これは母親の視点で見る映画だったのかな、とも思ったりした。
前半は主に母親が子育てに奮闘する話だし。
ストーリーの終盤でおおかみこどもの一人が独り立ちしていくのだけど、その送り出すところとか。
おおかみこども側の気持ちにはどうしても共感できなくてね。
人間の世界を選ぶか、狼の世界(自然の世界)を選ぶかで、おおかみこどもの一人は狼の世界を選んだのだけど、どういう気持ちでその選択に至ったのかが描かれていなくて。
多分、母親視点で見たら、子供の気持ちを全部は理解できないし、自分の子供をずっと守ってあげたいという気持ちはあるけど、それとは反対に子供が自立していくことが嬉しかったり、子供のこれからの人生を思って、「お願い、しっかり生きて」っていう気持ちで見れたのかな、と。
極め付きにエンディングは「おかあさんの唄」だし。