コロナに関する雑感

日本国内の感染者数が最近は1日100人程度でかなり落ち着いている。他の国の状況を見ると、アメリカは1日7万人、ドイツは1日5万人、イギリスは1日4万人ととても収まっているとは言い難い。

 

日本の感染者数が少ない理由として、①国内の人流、②ワクチン、③国民性などなどいろんな説があるが、どれも違うと思う(まったく影響がないとまでは言わないが、どれも決定的な理由ではない)。

まず、①国内の人流については、9月末の緊急事態宣言解除後、徐々に増えていることは明らかだが、増加の傾向にはなっていない。

②ワクチンについては、接種完了率が見れば、日本76%、アメリカ57%、ドイツ67%、イギリス67%で日本が一番高いが、それほど大きな差があるわけではない。スペインは接種完了率が80%を超えているが、1日7000人の感染者が出ている。

③国民性については、7月~8月の第5波のときに、感染者数がピークで25000人/日に至ったことが説明できない。7月~8月のときは日本人の国民性が悪くて、それ以降よくなったのか? そんなことはあるまい。第5波の時だってみんなマスクを着けていたし、ハグやキスはしなかったし、土足で家に上がることはなかった。

 

じゃあ何が要因なのか。あくまで個人的に考える一つの説だが、単純に日本からウイルスが減ったから、ではないかと思っている。基本的に、コロナウイルスは人から人に感染するものだ。感染している人がいなければ、新たに感染することはない。非常に極端なことを言えば、日本国民全員を2週間完全隔離することができれば、日本に存在するウイルスはゼロになり、感染者はゼロになる(もちろん、現実にそんなことはできないが)。

 

現状、外国からの渡航者の数はかなり絞られている。日本政府観光局のデータによれば、2021年9月~10月の訪日外客数は月間2万人前後だ。コロナ以前はどうだったかというと、毎月200万人以上。100倍以上の差がある。

訪日外客数・出国日本人数データ|統計・データ|日本政府観光局(JNTO)

他の国はどうだろう? と思って調べてみたら、アメリカへの入国者数は2021年8月で月間220万人、ドイツは2021年8月で月間200万人(イギリスのデータは見つからなかった)。

米国 | 入国者数 | 1996 - 2021 | 経済指標 | CEIC

ドイツ | 入国者数 | 1992 - 2021 | 経済指標 | CEIC

 

外国から人が入ってくるようになれば、当然ウイルスも一緒に入ってくる。そうなれば、おそらく日本でもアメリカやイギリスやドイツのように感染者数が増えるだろう。国内の人流やワクチンや国民性でどう頑張っても、おそらく抑えることはできない。

インフルエンザと同じように、長く付き合っていくことになるような気がする。