ダークナイト

映画。見てきた。
若干ネタバレ風味の感想。

映画とかのなかで、正義の味方が悪いやつと戦っていたりすると、「早くその悪者をやっつけてしまえ! 殺してしまえ! 悪いやつは殺されても仕方がない」と自然に思ってしまったりするんだけど。
きっと多くの人が持つそういう感情について考えさせられる映画でした。

バットマンも、映画のなかに出てくる悪いやつも、超人でも怪物でもなくて、両方とも普通の人間。

普通の人間に、普通の人間を殺させるのは、あまりにも酷ではないか?

もし仮に、自分が正義の味方だったとしても、目の前にどんなに悪いやつがいたとしても、簡単には人を殺せないと思う。どんなに悪いやつでも、同じ人間だ。人それぞれ、違った背景を持っている。殺してしまったら取り返しがつかない。どんな悪いやつでも、殺してしまったら、人殺し。それは一生付きまとう。殺せないよ。

バットマンは人を殺さない。それはどういう信念を持ってのことなのかわからないけど、とてもリアルで、共感できる。

この映画のなかで、恨みから人を次々に殺す人が登場する。逆に、彼の気持ちもわかってしまうのが怖い。「悪いやつは殺してしまえ!」という感情は非現実のなかでのみ許される感情なのに、彼の場合は激しい恨みからその感情が表に出てきてしまっている。でも、これは現実にはありえないことではなくて、実際に起こりえることなんだよね。怨恨による殺人。ニュースでもときどき耳にする。

人を殺す、なんていうことはあくまで非現実的なことなんだと、そういう意識を忘れずに持っておかないと。簡単に「殺しちゃえばいいのに」なんて思ってしまうのはとても危険なのではないかと、思いました。